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帯下・性行為感染症

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帯下(たいげ)、おりもの

帯下とは、腟あるいは外陰から体外に排出された分泌物で本人が自覚したものをいいます。したがって、敏感な人は、感じやすく、鈍感な人は感じにくいといえます。原因となる病気はいろいろありますが、おもに以下の検査によって診断します。


帯下の検査

病歴、湿疹などの皮膚所見、かゆみなどの症状、帯下の性状に応じて以下のうち必要なものを検査します。

  • クラミジア検査
  • カンジダ培養検査
  • 淋菌検査
  • 一般細菌培養検査
  • 子宮頚がん細胞診検査
  • 特殊検査;HPV検査(子宮頚がんのウィルス検査)

帯下が増加する主な疾患

代表的な疾患をご説明しましょう。

  • カンジダ症
  • 性器クラミジア感染症
  • 淋菌感染症
  • トリコモナス腟症
  • 細菌性腟症
  • 萎縮性腟症
  • 子宮頚がん

カンジダ症

カンジダは、真菌の一種で、いわゆるカビの仲間に属します。症状としては、酒かす様あるいはカッテージチーズ様の帯下(たいげ、おりもの)が増加し、外陰部に掻痒感(かゆみ)が出現します。治療は、腟錠の挿入とクリームの外陰塗布によって行いますが、治療期間は1-2週間程度です.

 

性器クラミジア感染症

クラミジアは性行為感染症の一種で、現在最も頻度の高いものです。クラミジアは感染しても、女性の約80%、男性の約50%は何も症状がなく、感染を自覚しにくいことが特徴です。症状が出る場合は、性交渉後1~3週間で表れ、おりものが増加し、臭いや色が変わります。男性は排尿時に痛みを伴う尿道炎になります。進行すると、腹膜炎を併発したり、不妊症、異所性妊娠(子宮外妊娠)の原因にもなります。治療は夫婦(パートナー)ともにマクロライド系あるいはテトラサイクリン系抗生物質を服用します。

淋菌感染症

 淋菌感染症は、性器クラミジア感染症と並んで頻度の高い性感染症です。主に男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎、尿道炎を起こします。1回の性行為による感染伝達率は30%程度と高い、と考えられています。また、重症例では、淋菌が管内性に上行し、女性では卵管炎や骨盤内炎症性疾患を生じ、不妊症の原因になります。症状の程度は、感染部位により大差があり、尿道炎および結膜炎では顕著な症状が現れますが、子宮頸管炎のみでは、無症状の場合もあります。近年、性行動の多様化を反映して、咽頭や直腸感染などの性器外の感染例が増加していますので、注意が必要です。

トリコモナス腟症

トリコモナス(原虫)による炎症で、性行為感染症に属します。よって夫婦(パートナー)ともに同時に治療する必要があります。男性では、いわゆる尿道炎の症状である排尿痛、尿道の痒みなどが起こります。一方、女性のトリコモナス感染症の臨床像は非常に多様です。おおむね20~ 50%は無症候性感染者といわれていますが、その3分の1は6か月以内に症候性になるといわれています。泡状の悪臭の強い帯下増加と、外陰、腟の刺激感、強い掻痒感が出現します。

細菌性腟症

細菌性腟症とは、腟内のいわゆる乳酸菌の1種であるLactobacillus属(腟の自浄作用に関係している)の菌量の減少に伴い、種々の好気性菌や嫌気性菌が、正常腟内で異常に増殖している状態です。最近ではマイコプラズマ、ウレアプラズマ、クロストリジウム属などの菌種の関連も指摘されています。

患者さんは、おりもの(帯下)の増加と、その不快な臭い(魚臭・干物様)が気になります。時に痛みがあることもあります。治療は抗生物質を含んだ腟錠や内服錠によって行います。

萎縮性腟炎

女性は、更年期頃より卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)分泌が低下するために、腟の粘膜の抵抗力がなくなって炎症を起こしやすくなります。性行為などにより腟損傷・腟炎が起こると、腟壁や子宮頸部などに、発赤・血性の小斑点も生じます。かゆみ、黄色いおりもの、悪臭といった症状をともなう場合もあります。欧米では外陰腟萎縮症とよばれます。治療は、主に女性ホルモンを含んだ腟錠を使用しますが、時に内服剤、経皮投与剤なども使用されます。

子宮頚がん

子宮頸がんは「HPV」(ヒト・パピローマウイルス)というウイルスの感染が原因です。性交渉によって感染します。初期には無症状ですが、時に帯下の増加、性器出血、接触出血があることもあります。子宮癌は恐ろしい病気ですが、定期的に子宮がん検診を受ければ、早期発見が可能で適切な治療ができます。

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