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骨盤底障害・排尿障害

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  骨盤底筋(群)と女性

骨盤底筋(群)とは、その名の通り、骨盤の底辺にあるインナーマッスルです。

骨盤底筋(群)は、肛門挙筋や尿道括約筋などのいくつかの筋肉が合わさって、ハンモック状に子宮や膀胱、直腸を下から支えています。 また、排泄をつかさどる場所でもあり、尿道や肛門などの排泄口を開閉する働きもしています。

男性に比べて、女性には骨盤底筋のトラブルが起きやすく、その理由には3つあります。

  • 第一の理由として、構造上の特徴です。女性は骨盤が広く骨盤底筋の面積が広い上、尿道・膣・肛門と3つの穴があります。便秘でいきむという行為も、骨盤底筋にダメージをあたえます。
  • 第二の理由として、妊娠や出産です。重くなる子宮や出産時のいきみによって骨盤底筋は強い影響をうけます。
  • 第三の理由として、女性ホルモンの変動です。加齢とともに女性ホルモンが減少し、それにより筋肉量が減少して、骨盤底筋の弾力性の低下をまねきます。

 女性骨盤底障害とは

 上記の骨盤底筋群が脆弱(ぜいじゃく)化することによって起こる障害を骨 盤底(機能)障害といいます。  代表的な病気として、「腹圧性尿失 禁」や「骨盤臓器脱(性器脱)」があ ります。ある調査によると、女性の40代以降の11%が尿失禁や骨盤臓器脱を経験します。また産後1年以内の尿失禁発症率は30%前後にも達します。

 膀胱脱(瘤)・子宮脱

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱

子宮が下がってきても痛みはありません。

  • 股の間に何か挟まっている感じがする
  • お風呂に入ったときに腟から飛び出しているポヨンポヨンとした玉のようなものに触れる

というようなことで気がつくことが多いようです。症状が進むと、常に臓器が腟から出ている状態となりなます。

 

骨盤臓器脱で多いのは子宮が下がってくる「子宮脱」と、お腹側にある腟の壁とともに膀胱が下がってくる「膀胱脱(瘤;りゅう)」ですが、両方合わせ持つ人の割合も高いようです。尿失禁などの排尿障害も起こります 。

 おもな症状

  • 咳をすると尿がもれる
  • 急に立ち上がったり、走ったときに尿がもれる
  • 尿や便が漏れるのが心配で、運動ができない
⇒腹圧性尿失禁
  • 長い時間立っていると何か下がってくる感じがする
  • トイレでいきんだときやお風呂で、股の間に何かふくらんでくるものを触れる
  • 尿や便が出きらず、残った感じがする
⇒骨盤臓器脱

 予防、治療

骨盤底筋体操

当クリニックでは、将来の骨盤底障害を予防するため、 骨盤底筋体操(ひめトレ)の教室を開催しています。特に当クリニックにて出産された方は多数参加されています。

薬物療法

抗コリン剤、β3受容体作動薬:

膀胱が勝手に縮もうとする反射を抑膀胱の蓄尿期における弛緩作用を増強して、膀胱の容量をふやします。 薬を内服することで尿の我慢が可能になり、理想量(250〜500 ml)の尿をためることができやすくなります。ただし、副作用(抗コリン剤;口内乾燥、便秘など・β3受容体作動薬;頻脈など)に注意しましょう。

ペッサリー

径5~10センチほどのリング状になった器具「リングペッサリー」を腟に入れ、下がってくる臓器を支える方法があります。定期的な手入れが必要ですが、時々通院する程度で済みます。

ペッサリー

手術療法

上記の治療を行っても、日常生活に支障が出ている場合には、手術療法の適応になります。

 その他の排尿障害

  • トイレが近い(頻尿)
  • 昼間10回以上トイレに行く
  • 急にトイレに行きたくなり、間に合わない(切迫性尿失禁)
  • 夜間何度もトイレに起きてしまい眠れない(夜間頻尿)
  • 夜間3回以上トイレに起きる
  • 外出時には尿もれパッドを当てている
⇒過活動膀胱

生活改善や薬の服用で治る可能性があります。

 骨盤底筋エクササイズ/ひめトレ

 当クリニックでは、トレーナー指導による教室を開催しています。産褥期はもちろんのこと、将来を見据えて骨盤臓器脱予防のため正しい骨盤底筋エクササイズの方法をマスターしてみてはいかがでしょうか。

 

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